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サトウトクヤのアレクサンダー・テクニーク~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

トランペット、アレクサンダー・テクニーク教師サトウトクヤのブログ。アレクサンダー・テクニークとトランペットについて。Facebookページやツイッターもやってます。

ペダルトーンやMF等の小さすぎるマウスピースから学んだ事

マウスピース・楽器・ケース・アクセサリ アンブシュア 個人練メモ

 

この記事は長いので、先にこの記事↓を読むと良いかもしれません。

tokuya-tp.hatenablog.com

 

 

トランペットのマウスピースには沢山の種類あるので、それぞれに合った吹き方があると思います。

 

ただ、いわゆるトランペットの吹き方の共通点はあるのかな?と、吹き方が変わってきているのもありふと思いました。それに気付けないと「私にはこのマウスピースしか吹けない」と思い続けて極端な吹き方になる恐れもあるかも・・・?

 

この記事の内容

「共通して好まれるリム形状が吹けない→吹けるようになったのはなぜ?」「MFや小さすぎるマウスピースから学んだアンブシュア」「ペダルトーンの練習が合わなかった?」

アンブシュアの位置を変えても筋肉はついてこないし、クセが邪魔する」「クセは消せない→どうする?」「マウスピースの位置を変える=既に自己否定」「大事なのは見た目でなく音と、それについていく動き」

 

 

 

共通して好まれるリム形状

ボブ・リーブスのマウスピースは各サイズ毎に最も好まれる形状を採用しているとの事です。私のサイズはバック10-1/2Cぐらいなので、初めてボブ・リーブスのマウスピースを試奏した時に選択したのは40サイズだったのですがこれが全然合わず小さく感じました。このサイズを使用する奏者が最も好む形状じゃないのか?やはり欧米人と東洋人の骨格の違いからくるものなのか?と当時は思いました。

昔から違うマウスピースでもすぐ馴染む方だったのですが、1,2カ月ほど使用してもやはり馴染めず元のマウスピースに戻しました。ただ、今ではこの40リムが大好きです。

昔は上唇をひっかけて吹く吹き方だったので、フラットリムなボブ・リーブスのリムでは吹け無かったのかなと思います。

 

 

合わないリムでなぜ吹けるようになったのか?

初めて吹いてから4年目にして吹けるようになり、自分にどういった変化が生まれたのか?吹き方の共通点のような物があるのだろうか?と思いました。そこでとても長いですが私自身がスランプに陥ってから今に至るまで簡単(?)に書いてみました。とても長いですが。

 

トランペットを始めてから最初の6Cを除いてずっと10-1/2Cを6年近く使用していたのですが、去年の7月頃から長年使用してきたサイズが大きく感じるようになりました。

そして今年の2月頃、一時期バック20Cサイズのマウスピースに変更し3、4カ月ほど使用していたのですが、その頃から吹き方が変わったなと意識し始めました。そしてMFのマウスピースも大きめに感じるようになりペダルCが鳴るようになりました。

 

大きく感じるようになったのは去年の6月から大スランプが継続している事も関係しているのかもしれません。今思うと吹き方が変わった(のに気付かずに昔のように吹こうとした)からスランプになり、かつマウスピースの感触が激変したので混乱し極小マウスピースに移行したのかもしれません。

 

話は戻りますが、小さいマウスピースに移行した頃からボブ・リーブスのリムも吹けるようになりました。後述しますが上下2:1になった事で上唇をひっかける必要がなくなったからなのでは、もしくは依然高音域では1:2だが当てる位置が若干下がり、フラットリムで大丈夫になったから、もしくは位置関係無くブレスがしっかりしてきたから(今思うとこれかも?)・・・?

 

 

極小・MFマウスピースから学んだ事

MFはご存知メイナード・ファーガソンの事です(無駄に赤字)。私の場合20CサイズやMFマウスピースは上下2:1でないと吹けません。

※2016/04/01現在、上下1:2でも吹けます、むしろしっくり来てます。

 

そして人によって外見の見た目が違くてもリムカットして見れば誰もが2:1になるのでは?と思います。これは独特なリム、カップ形状にもよるモノだと思います。

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トランペットのベルの内側のようなリム。

 

横からの断面図を想像して頂けると分かり易いですが、カップがトランペットのベルのように内側に反った極端なVカップなので、上下1:2のように上唇が上のリムに近いと当たって振動がストップしてしまいます。なので振動する上唇がリムの中心に来る必要があり、結果上下2:1になります。もしかすると1:2で吹ける人もいらっしゃるかもしれませんが。

 

行きつけの楽器屋さんは良く「(シグネチャーモデル等)道具から学べる事は沢山あります」と話されています。最初聞いた時は「またそんな事いって買わせるつもりなんでしょ~」と思ってましたが、今では納得しています(笑)。

MFのマウスピースは極端な例の代表格では無いでしょうか。これが吹けなければダメという事では決してありませんが、気付く一つのきっかけになり得る事は間違いないと思います。

 

 

ペダルCが鳴るようになった

極小サイズのマウスピースを使用していて一番の変化はペダルCが出るようになった事です。昔は上唇が暴れて大変でした。

最初は上唇の振動範囲が小さくなる分、安定した振動が得られるようになったのかと思ったのですがそれは逆でした。小さいマウスピースでは通常音域の時点で上唇の振動範囲が決められているので、よりスペースを求めて振動し易いように上唇の位置が中心に寄りました

 

結果、上唇を支える筋肉が上のリムからずれて、少しずつ成長していったのではないかと思います。ただ、それに気付かず音域を戻そうとやっきになっていたので、思う様な成果は出なかったのではと思います。

 

 

唇の上下の比率は2:1?

実は前々から唇の上下の比率が2:1のアンブシュアだと良いんだろうなと思っていました。とはいっても昔から上下1:2で問題無かったので気にしてなかったのですが・・・潜在意識の奥底に根を張っていたのだと思います。

本格的に気になり始めたのはスランプになってからです。そして練習すればするほど2:1になる傾向にあったのもあります、20CサイズもMFはもちろん、10-1/2Cサイズに戻しても2:1になる傾向にありました。

今までのサイズが大きく感じるようになった理由もこれかなと思います。中低音では2:1なので上唇にスペースが生まれました。今までは上リムに近い位置でセットしていたので大きく感じるのも無理ないなあと思います。

 

そしてこの頃からどのサイズのマウスピースでも吹けるようになりました。浅すぎるのは依然難しいですし、コントロールできるかは置いておいて。もちろん好みはあります。

ただ、音域が戻りつつあっても楽に吹けないので前の1:2のアンブシュアにするか、2:1のままでいくかかなり悩みました。この時点で今の自分を見ずに0か1かを決めにかかっていたように思います・・・。

そういえばメーカーによっては1:2でも2:1でも吹けてしまうマウスピースもありました。

 

 

そもそもなぜ2:1に?

これは推測ですがペダルトーンの練習を始めたからだと思います。長年ずっと1:2で問題無かったのですが、私の場合ペダルトーン、特にペダルCだけは上下2:1でないと出なかったからです。元々1:2のアンブシュアだったのを自分でも気付かないうちに2:1にシフトさせていた、であれば本来自分には合わない練習だったのかもしれません。

今となってはどちらでも良いのですが、思えば調子の波が激しくなったり、今回の様な大スランプになった理由はここにあったのではないか?と思いました。マジオが日本で流行った時代にペダルトーンの練習をして潰れたなんて話、原因の1つはこういうところにあったのかも?

 

 

アンブシュアの見た目は大事ではなかった

さて、上下の比率を戻すか戻すまいかで迷っていましたが色々考え疲れ(笑)、今年の8月になり「今の(中途半端だと思っている)アンブシュアでいいや」と思うようにしました。するとその数十分後には上下の音域が戻りすごく楽に吹けるようになりました。低音域は2:1だし、中音域は1:1?高音域は1:2のよう。今まで何を気にしていたのだろう・・・

まだ記事にはしていませんが、アンブシュアは奏者の演奏レベルが向上するにつれて、また演奏時においても動き変化していくものなのだなぁと改めて思い、初めて腑に落ちました

 

今の私にはある意味3つのアンブシュアがあるようにも見えますが、そのどれもが自分の1つのアンブシュアであると思っています。

おそらくは1年前からこの状態にあったと思うのですが、変化している事に気付かず昔の感触・吹き方・音域を追い求めていたように思います。その結果スランプの自分(のアンブシュア)を認められず、すぐに結果が出ないからといって成長を成長と見れていなかったのかなと思いました。

 

多くの人がアンブシュアの見た目を気にするなと言いますが、1オクターブ以上も音域が下がり絶望のどん底にいた自分に届く言葉はありませんでした。なのでこの記事はそんな方にも届くようなこんな一例もありますよ、という感じで書いてるのもあります。

 

 

位置(見た目)を変えても筋肉は付いてこない。クセが邪魔してくる。

アンブシュアを形から変えようとしている人も、恐らくは教本や誰かに言われた事を気にして「大きい音が出せない、スタミナがない、高音が出ないのはアンブシュアのせいなんだ」と自分のアンブシュアを認められていないのかもしれません。

ただ、急に位置を変えたとしてもその位置で支える筋肉が育っていないので演奏が極端に困難になります、昔のクセが出てきて成長途中の習慣を邪魔してしまう事もありますし焦って結果を求めると無理に力んだ吹き方・新たな悪いクセになってしまう恐れも。

 

 

クセは消そうとしても消えない

アレクサンダー・テクニークをはじめて学んだ事の1つにクセを悪者扱いして直そうとするのは逆効果であるという事があります。恐らく形を変えて少しずつ良いアンブシュアにしようと思っている99%の方は、昔のクセとごちゃ混ぜに練習している事になっているのではないかと思います。話すと長くなるので書きませんが昔のクセは消そうとしても消せません

神経科学的にも可能なのは新しい習慣を今の自分の上に構築する事です。昔のクセに上書きする、自分でも気付かないくらいゆっくりと良い習慣が占める割合を大きくして昔のクセを飲みこむ方が、脳の神経回路にとって得意な事なんだそうです。

 

 

位置を変える=アンブシュア否定=自己否定

位置を変えて新しい習慣を身に付けようと思っても、位置を変更した時点で自己否定が入っており、クセを消しにかかっているんですね。

大きな音を/高い音を/バテずに/吹けない自分はダメだ→アンブシュアがダメなんだ→(位置を変えても良い音はすぐ出ない)→こんな音じゃダメだ→(昔出 来た事も出来なくなる)→もっと練習しないとダメだ→(小さな成長に気付けない)→アンブシュアも自分もダメだ→もうダメだ。

 

これは辛すぎます。確かにこれほどまで強烈なスパルタ特訓?を乗り越えさえすればあるいは素晴らしい演奏が出来るようになるかもしれませんが・・・皆が皆乗り越えられる訳ではありません

 

クセを消しにかからない、つまり今のアンブシュアを受け入れてその上から新しい習慣を積み上げる方がより効果的ではないかと思います。

一例として、唇にも精神的にも優しい方法は「今のアンブシュアを受け入れて、今この状態から少しずつ頑張ろう!と思い、今のレベルに合った出したい音を強くイメージして、出したい音を吹く。」でしょうか。

ダメ出しばかりしても先に進め無いので、良い所を育てる方法です。

 

 

アンブシュアは出したい音によって決まる

今の私は音域によってアンブシュアが変わります(一応ウェット奏法なのでトリプルアンブシュアではないと思っています)。自分が出したい音にアンブシュアが形を変えついて来てくれます

 

アレクサンダー・テクニークのレッスンで動きにおいて良く「頭が動いて(その動きに)体全部がついてくる」と言うのですが、楽器演奏もそうだなぁと思いました。

「頭の中で音を鳴らして、その音に体全部がついてくる」イメージに近づく為振動も舌もブレスもアンブシュアもみんなついてくる。

 

バジングや舌を意識した練習、ブレストレーニング、ボディマッピング、思考の毒抜き等は働いてない部分をピックアップして見直し、演奏中心身共に自由で良いんだよと知ってもらうためのもの。部分にこだわっている様で全然違う。

 

極端に言うと唇が、舌が、ブレスが音を作るのではなくて、音のイメージにそれらがついてくる・働く事によって音になる。音楽の練習は頭の中の音に近づけるためのもので、アレクサンダー・テクニークはその道のりにある石ころをどける様なものなのかな。と思いました。

 

 

 

書いていてつかれたのでそろそろ終わりにします。

私は出来る事ならゆくゆくは幅広い演奏がしたいと思っています。一番最初にも書きましたが、このマウスピースしか吹けない!と思い込み唇をこねくり回し極端な吹き方になるのではなく、もっと柔軟に・・・。この吹き方が正しい!とかではなくて色々な事を学んでみたいと思いました。

 

 

長々とお付き合い頂き本当にありがとうございました。ご意見等ございましたら遠慮なくどうぞ!

それでは最後のオチにこの画像を・・・

 

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ファーガソン1:2の時もあるじゃん!!