サトウトクヤとアレクサンダー・テクニーク【無料メルマガ】の購読申し込みはこちら

サトウトクヤのアレクサンダー・テクニーク~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

アレクサンダー・テクニークとトランペットについて書いてあるブログ。

マウスピースだけでバジング

(2014/4/21 加筆修正)

初心者の方や、ウォーミングアップのためにマウスピース・バジングをされている方、特に大きな音でヴィイイイイイン!!!」とされている方に1つお伝えした事があります。


それはマウスピースだけでバジングしている時の唇と、楽器を吹いている時の唇は違うという事です。
 

 


楽器を吹いている時の唇が振動するしくみについて。
昨年Bobby Shew氏が来日した際のクリニックでも振動する原理について以下のように話されていました。
 
吹く→唇が前に押し出される→楽器側から息が跳ね返ってくる→唇が後ろに押し返される→吹き続けているのでまた前に押し出される→跳ね返ってきた息によりまた後ろに押し返される→繰り返し・・・
 
なので自分から唇「を」振動させようと努力する必要は無いのでは?と思いました。吹き込めば唇「が」勝手に振動してくれるのです。
 
 
マウスピース・バジングの時の唇の振動について。
楽器と同じくらいの音量で鳴らそうとすると必要以上に自分が頑張らないといけなくなります。

試しに楽器を吹いた時と、マウスピースだけで吹いた時に自分が唇に対して何をしたかを確認してみてください。マウスピースだけを鳴らすには「唇を絞める、プレスする。」といった事をしていませんか?マウスピースは真っ直ぐな管なので唇を押し戻してくれる息が返って来ないために、こういった事をして自分で抵抗をつけなくてはいけないんです。
 
試しに下のドを吹きながら、そのまま楽器からマウスピースを抜いてみて下さい。音が止まり、息の音だけになると思います。
 
逆に普段通りマウスピースだけでドの音を吹きながら楽器に差し込んでみて下さい。fくらいの大きな音が鳴りだしませんか?

実はこれ、以前エリック宮城さんのクリニックを受けた際に「バジングしながら差し込むと、音が抜けきらない初心者みたいな音が出ます」と実演されていました。

 


ちなみにエリックさんのウォーミングアップは
朝起きて「あー、おー、うー」のように口を開けて優しく顔のストレッチ、必要であればため息くらいの息で『ぶるるる』とフラッタリング(フラッピング)※バジングではありません、そして楽器で吹く。だそうです。ほぼ毎日吹かれる中高生、大学生でしたら参考にしてみてはどうでしょうか?
※2016/06/21現在はまた違うと聞きました、日々変わっているんですね。
 

さて、この事からマウスピースで音を鳴らす=フォルテで楽器を吹いている状態に近い事を唇にさせている、楽器を初めて間もない方であれば初心者にありがちな変なクセをつけている事が推測されます。

唇を絞めるクセを無意識にやってしまうと唇は固くなり、中低音では必要以上に息を使って振動させている事になります。加えて、中低音より唇の振動数が必要なハイノートを吹こうとすると息は十分足りているのにハイノートが出ないなんて事になってしまいます。

音域が伸び悩んでいる方は一度マウスピース・バジングの時の力みを楽器演奏時にしていないか?チェックしてみると良いと思います。

個人的にマウスピースのみでのバジングは、ある程度上達された方が目的をもってやる練習なのでは?と思っています。エリックさんも「リップトリルのコツを掴む練習になる」と話されていました。

今思いだしたのですが、某EM等で有名なトランペッターのNさんがマウスピースの試奏をされている際、短く「ヴィイイイ ン」とマウスピース・バジングをされていました。私レベルの感想ですが、前のマウスピースの感覚をリセットするor強制的に馴染ませるor振動するポイントを見つけられていたのかな、と思いました。(お声掛け頂いたのに緊張してろくに離せませんでした・・・。)



もし全ての金管楽器がマウスピースと一体型だったとしたら、皆さんはウォーミングアップの時の音量はどのくらいから始めますか?

ちなみに私は以前小さな音でロングトーンしていましたが、最近はほぼ毎日吹いているので最初から好きな曲を吹くのもありだなと思いました。プロのトランペッターには早朝からハイノートをガンガン吹かれる方もいらっしゃいます。普段あまり吹かれない方でしたら、ウォーミングアップは優しく息を入れ、音が鳴らし易い楽器に付けてやるという方法も一度試してみてはいかがでしょう?
 

 

「やらなくても良いのかな?」と思われた方は試しにマウスピースバジングでのウォーミングアップ1週間やらないでみてはどうでしょう。(代案は楽器をつけて優しい音でロングトーン、曲を吹くなどなど)

その後で「やっぱり必要だ!」と感じた方は従来通りバジングからスタート、「必要なかった!」と実感出来たらすぐに楽器を吹き始める、とご自身で判断し自分にあったウォーミングアップをされると良いと思います。

今までのウォーミングアップと新しいのとで、音の鳴りやバテ易さ等々、どんな違いがあるか観察し、良い方を選んでみてください。