サトウトクヤとアレクサンダー・テクニーク【無料メルマガ】の購読申し込みはこちら

サトウトクヤのブログ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

アレクサンダー・テクニークとトランペットについて書いてあるブログ。

「アパチュアを小さく」というアドバイスで注意したい事

去年くらいから「アパチュアを小さくする」というアドバイスを見るようになりました。結構昔から言われているそうです。

 

アパチュアとは、金管楽器を吹いている時に唇の中央に出来る息の通り道(穴)の事です。

 

リップスラーを吹く時に、高い音を吹く時に、ペダルトーンを吹く時に・・・などなど

 

ですが、個人的に気を付けたいと思う事があったので書いてみたいと思います。

 

Facebookページ「STp:サトウトクヤとトランペット」はこちら

 

 

アパチュアを小さくする事のメリット

「アパチュアを小さくして吹くと良い」というアドバイス。理由として息の勢いだけで高音を吹かないためにアパチュアを小さくして吹きましょう、というのを良く聞きます。

 

乱暴に息を吹き込むのではなく、アパチュアを小さくして息のスピードを上げてor唇の張りを強くして楽にor効率良く吹きましょう。と言うものだと思います。

 

ホースの出口を小さくして水の勢いを強めるように、アパチュアを小さくして息のスピードを上げる。唇のハリを高めて圧を上げる。こうすれば楽に吹けます。

 

確かに高音は出し易くなります。ですがいくつか気になる点があります。

 

 

アドバイスした人の意図通りに出来ていない

これはアパチュアを小さく出来ているのか、ただ唇を潰しているだけなのか、という事です。

 

アパチュアは目に見えません。そしてほんの小さな動きです。吹ける人からしたらアパチュアを小さくする動きは容易ですが、慣れていない人からしたら難しいと思います。

 

アパチュアを小さく、で上手くいってない人の多くは唇を潰してしまっている事にあると思います。また、プレスが弱い人がこれを採用するとますます唇をしめて吹くクセがつきます。

 

プレスが弱いと唇の振動範囲をリムでなく唇自身のハリで作る事になるので疲れます。さらにアパチュアを小さくしているつもりで唇を潰してしまったら、余計に唇の仕事が増えてしまう事になります。

 

 

ブレスが育たない

アパチュアを小さくして息のスピードを上げる、唇のハリを増やすと高音が吹きやすくなりますが、息(呼吸筋)の仕事が減ります

 

唇でハリを作る事に意識が向かうので呼吸筋への意識が疎かになりがちです。気を付けないと知らず知らずのうちにブレスが弱まる、育たなくなります。大きいマウスピースの低音楽器は低音でしっかりとした息が必要なのでそこまで心配はないかもしれません。

 

「息の勢いだけで吹かないようにする」と言うのは「力任せにブワー!っと吹きこまなければいい」訳なので、アパチュアに頼れという訳でも、へろへろの息で吹いても良いという訳ではありません。

 

この記事と少し似てるかも。

tokuya-tp.hatenablog.com

 

僕は息メインで自由自在に吹ける方が良いと思っています、息を自在にコントロール出来るようになればアパチュアを小さくする意識はそこまでいらなくなります。中低音からアパチュアを意識するとさらに高音で限界が来る気がします。トランペットならとりあえずハイCまでは考えなくても良いと思います。

 

もちろん「(ハイC以上の)高音でもアパチュアを小さくしている」と感じる事もあると思います。この場合、音域の拡大と共にブレスが育っていれば大丈夫です。実際に小さくしているのか、ほとんど変わってなくて小さくしているつもりのどちらかだと思います。シラブルと同じですね、シラブルを使っているのに使っていないと言う人、使っていないのに使っているという人。感覚で感じ取れない点で言えばアパチュアの方が分かりにくいですが。

 

 

高音が弱くなる?

これは最近思う事で、特にハイCから上の音域で感じます。

「ブレスが育たない」とも関係してきます。

 

クラシックの楽曲であれば気にならないのですが、ジャズ・ポップスを演奏する場合においては弱く感じます。(楽器はじめたての初心者やハイCに到達していない方はあまり気にしなくて大丈夫です。)

 

アパチュアを小さくするのは大きな負担は無くとも口周りの筋肉を使っているので振動範囲以外は固く、振動範囲も狭められているので振動に影響がでる。音質や響きに影響は出ないが、音量音圧の面で制限がかかる。それ以上の音量音圧を出そうとすると無理が生じ実音ハイF辺りで頭打ちになるように感じます。

 

これはアパチュアを小さくした時点で音が弱くなるのか、アパチュアを小さくして吹いているから呼吸筋が育っていないだけなのか分かりませんが。もしかすると、アパチュアを小さくして吹いても呼吸筋が発達していれば強い音が吹けるのかもしれません。

 

また、アパチュアを小さくするのは口を横に引く、巻く、といった口先で吹く動作に近い気がします。なので高音、音量をあまり求められないクラシック奏者ならバテ無いかもしれませんが、ジャズ・ポップスを演奏するならすぐバテてしまうかも。

 

ここぞと言う時にマスピースを押しつける、横に引く、巻く、アパチュアを小さくするなどをする分には良いとは思います。

 

こちらにも書いてますが、使用するマウスピースや道具にもよるのかも。ペダルトーンでアパチュアを小さくするのも伝統的な奏法によるものなのかもしれません。

tokuya-tp.hatenablog.com

 

 

 

ブレスを意識すれば大丈夫

どんなアドバイスもそうですが、ブレスへの意識できていれば大丈夫だと思います。

 

アパチュアを小さくしても、舌を上げても、楽器を動かしても、ローCの息しか流れていないのならハイCは出ないと思うので。色々やってきましたが個人的にブレスが9割近く占めている気がします。

 

おそらく力任せに「ブワー!」という吹き方をしていたりで何らかの不具合が起きている人にそうアドバイスをしているのだと思います。ですがしっかりした息であればその勢いに任しても良い気がします

 

 

 

とはいえ、これら以外にちゃんとした「アパチュアを小さくするメリット」をしっかり理解している人からのアドバイスであれば大丈夫だと思います。それが上手く伝わっていない、上手く出来ていないのに無理に続ける必要は無いと思いますよ。

 

 

 

tokuya-tp.hatenablog.com

www.reservestock.j最近メルマガ配信してませんが、ごくごくごくごくたまにお得情報が行きます。

※現在「2017年6/25金管何でも相談会」のお知らせ中(バックナンバーにて)