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サトウトクヤのアレクサンダー・テクニーク~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

トランペット、アレクサンダー・テクニーク教師サトウトクヤのブログ。アレクサンダー・テクニークとトランペットについて。Facebookページやツイッターもやってます。

☆ピボット奏法の大きな誤解「音域による楽器の角度変化について」

ピボット奏法、ピボット・システムって聞いた事ありますか?

かんたんに言うと金管楽器の奏法の1つで、音域を変える時に役立つと言われる奏法、動きの事です。

 

ただ、バジルさんが翻訳された記事にもあるように、アメリカのトロンボーン奏者のドナルド・S・ラインハルトの奏法論の1つである事が分かります。

 

今回はバジルさんが翻訳した記事と実際のレッスンを基に、ピボット奏法について僕が誤解していた事と、ついでなのでトランペット奏者のアップストリーム奏法、ダウンストリーム奏法について書いてみます。

 

※僕自身このシステムを推奨している訳ではありません。誤解したまま練習に取り入れる、批判・否定するのは勿体ないと思うのでこの記事を書きました。

 

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一般的なピボット・システム、奏法

一般的に知られているピボット奏法、ピボット・システムについて書きます。

 

低音に行くほど、楽器の角度は上(↑)を向く。

高音に行くほど、楽器の角度は下(↓)を向く。

 

f:id:tokuya-tp:20161229014903j:image

 

というのが一般的な解釈だと思います。

たまに逆の動きをされる方もいます。僕も中学生の子で1人見た事があります。

 

そしてその動きは弧を描く様な動きでイメージされています。

口元を支点に唇の上でマウスピースの角度が変わり、それにより低音ほど下唇の、高音ほど上唇プレスが弱まると言われています。(これも逆の動きの方がいます)

 

ここまでが一般的に知られている、認識されているピボット・システム、奏法だと思います。少なくとも僕はそう思っていました。

 

 

本来のピボット・システム、奏法の理解

実は、ラインハルト自身も最初は楽器が「傾けられる」動きをピボットと呼んでいました。しかし、後に訂正しています

 

一言で言うと楽器が上下に傾く動きではなく、上下に平行移動する動きの事でした。

 

マウスピースが唇ごと歯の上を垂直に滑る動きが本来の正しいピボット動作です。角度も変わると思いますが、平行移動のようにスライドする動きを指しています。

 

f:id:tokuya-tp:20161229014944j:image

 

そして、金管楽器奏者の7割は次のような動きをするそうです

低音に行くほど、楽器が下(↓)に平行移動。

高音に行くほど、楽器が上(↑)に平行移動。

アルトゥーロ・サンドバルはこれだと思います。

 

ちなみに、高音に行くにつれてアンブシュアが上に移動する人でも、楽器の角度は下を向く人もいます。むしろこういう人が多い?アンブシュア動作が起きる結果楽器の角度も変わる人がいる、という事でしょうか。

 

そしてもちろん、逆の動きをする人もいます。

低音に行くほど、楽器が上(↑)に平行移動。

高音に行くほど、楽器が下(↓)に平行移動。

エリックさん、ウェイン・バージェロンはこちら?僕もこの動きをします。

 

 

この動きはその人の歯並びや骨格、アゴの動きや筋肉などなどによって決まっているそうです。詳しくは分かっていない様ですが、好きに吹いてもらうとその動きをするからこうだろう、と判断します。

そして、上達すればするほどこの動きは小さくなるそうです。アレン・ヴィズッティも「最初は口が動こうが何しようがやるしかない、そのうち自然になる」と話しているそうです。

 

エリックさんが下に動かしたから、といっても真似してもあなたの骨格に合った動きと逆ならば真似しても意味が無いです。さらに左右どちらに動かすかでも変わってくるので、無暗に真似するのはおススメしません。

 

僕自身、音域による楽器の動きは角度だと思ってました。なので無意識に高音域で下唇にマウスピースを密着させ過ぎて、それ以上のピボット動作、アンブシュア動作を制限してしまっていたのかもしれません。

 

 

最初の定義と名称から誤解され広まった

なぜ一般的に広まっているピボット・システムが誤解されてしまったかというと、ラインハルトさんも最初は「傾ける動き」と定義し説明していたから

 

そしてピボット(旋回運動)という言葉が楽器を演奏中あちこちに動かし回させるような指導をしている、という印象を他の金管奏者たちに与えてしまったから。とバジルさんのブログの訳には書いてあります。

 

 

なので昔の定義を口伝えでしか聞いた事のない人は「音域を変えるために楽器を大げさに動かすよう指導している、楽器を傾けさえすれば音域が変わると思っている」と一部しか知らないor誤解しているのに批判・否定したりしています。間違った解釈をしているのに有名な人がダメだと言ったら多くの人が信じてしまうでしょう。

 

賛否は置いておいてこの思考は勿体ない。僕も昔はマウスピースバズィングについて否定的で食わず嫌いでした。でも色んなアプローチ法があるなら試して正確に理解しようと努め、好きならやればいいし気にいらなければやらなければいいだけです。

 

 

アンブシュアタイプと息の流れる方向

この動きとマウスピースの当て方から、大きく分けて3つ、細かく分けて9つのアンブシュアタイプに分けられるそうです。ラインハルトは9つに分けましたが、その生徒達は対して変わらないから3つでいいじゃん、と現在は3つの分類法が主流?のようです。

 

ここではアンブシュアタイプについて詳しくは書きません(書けませんし)。

 

アンブシュアタイプの分け方の1つに、唇から出た息が下方向(ダウン・ストリーム)に流れているか、上方向(アップ・ストリーム)に流れているかを確認する、というものがあります。

 

基本的にダウンストリームの人は音域が変わっても下方向、アップの人は常に上方向なんだそうです。ついでなので他の奏法や考えについて少し書きます。

 

 

アップ・ストリーム奏法

ウィリアム・コステロのお弟子さんのロイ・スティーブンスが書いた「トリプルハイCアンブシュアテクニック」という教則本にアップストリーム奏法として書かれてるそうです。

 

このサイト(英語)に図があります→Stevens Isometric Exercises

下の方の図をみると中高位置か低位置アンブシュアアンブシュア動作のように見えます。

 

久しぶりにエリックさんのブラスガイドテクニック読み直してます。

14,5年前の内容なので今のエリックさんの考えとは少し違うかもしれませんが、本当に面白くためになります。僕もこの本のお陰で一気にハイFまで吹けるようになったようなものです。

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曰く、高音域の時に息の流れを上方向にして吹く奏法らしいです。楽器を使わずに、ブラスガイドにある写真を見ると鼻先に息を吹きかけるだけの練習もあります。

 

中音域の息は下方向だけど、高音時で上方向に吹くという事でアップストリーム奏法なんでしょうね。一瞬ボビー・シューの「エア・ピボット」に似てると思いましたが、多分違います。そして音域で意識的に息の方向を切り替えるのでラインハルトのアップストリーム、ダウンストリームとは違います

 

ただ、エリックさんも書いてますがこの人達が実際に息の方向を切り替えていたかは分かりません。ラインハルト派はリム・ビジュアライザーや透明マウスピースを用いて実際に息の方向を確認しているのに対し、こちらはイメージ的なモノだったのかもしれません。

 

あとネットで調べたところ、トロンボーン吹きはアップストリーム奏法と聞くとラインハルトを思い浮かべるそうですが、トランペット吹きはスティーブンス&コステロのアップストリーム奏法を思い浮かべるみたいです。Tp奏者とTb奏者の間でさらに誤解が生まれそうですね。

 

話脱線しますが、ネット検索していたら昔のジョイブラスのブログが出てきて、ロイ・スティーブンスの生徒に ドン・エリス、ルー・ソロフ、リン・ビビアーノの名前が・・・。

 

 

ダウンストリーム奏法

今度は逆で下方向の息で高音を出す考え。ウォルト・ジョンソンの「ダブルハイCイン10ミニッツ」という本。10分でダブルハイCが吹けるようになるワケではなく、この本の内容は10分で覚えられるよ、という事だそうです。

 

これは音域で息の方向を切り替えるというよりは、高音域でさらに下方向に吹きなさいという吹き方の様です。その時、下唇をギュっと巻くそうです。学生の頃に下向きに吹く事を試したら上手くいったのですが、今読み返すとこういう事なのかと・・・良く理解せずやっていました。

 

ウォルト・ジョンソン曰く「ある程度音域をコントロール出来る人のためのもの」との事。基礎的なスキルが備わってないのにアンブシュアだけ変えて高音出さない様にね、と言う意味で注意喚起もしてる様ですね。

これに関しても「下唇を巻けば高音が出ると思ってる!」と批判・否定する人がいそうです・・・。

 

これは個人的に、息が下方向に流れる人が行きつく奏法なのでは?なんて思ったりもしました。また、ウォルト・ジョンソンは下唇を巻いているように見えるけど実際は骨格や歯並びなどで巻いているようにみえているだけかも?もしくは骨格的に巻かざるを得ない?本人も鏡で見て巻いていると気付いただけで実は巻いていなかったり?・・・憶測にすぎませんが。

 

そしてアップストリーム奏法もダウンストリーム奏法も「息の角度調節」の話ですね。ラインハルトと違うのは「あなたは骨格的に息が下方向にor上方向に息が流れてますね」と判別してるだけで、そういう奏法だととは言ってません。

 

 

 

 

長くなりましたが、僕自身驚いたピボット奏法の誤解について書いてみました。さらに詳しく知りたい方はこちら。

basilkritzer.jp

 

 僕自身はこのアイディアを正確に理解している訳でも、本気で取り組んでいる訳でもなくつまみ食い状態なので推奨とまではいってません。でもこれに限らず世の中にある奏法が誤解されず、少しでも上達の手がかりになるのであれば良いなと思っています。

 

 

思う事があったので別に書いてみました

tokuya-tp.hatenablog.com

 

 

 

tokuya-tp.hatenablog.com

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