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サトウトクヤのブログ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

アレクサンダー・テクニークとトランペットについて書いてあるブログ。

あなたのクセは、今まで積み重ねてきた素晴らしい習慣。

2014年のGW、ヴィヴィアン先生(チェリスト、アレクサンダー・テクニーク教師)に「マウスピースを当てたらすぐ吹きなさい」と言われたのを思い出し、土曜日に色々試していました。

 

「クセがあっても良い音は出せる」

「クセ=悪い習慣ではない」

「なかなか受け入れられない人へ、3つの提案」

 

 

クセを手放すと良くなる、クセがあっても良くなる

色々試していると自分が無意識にしていたアンブシュアのクセが見つかり、自分でもこのクセをやめただけで音が明るく太くなるのを確認しました。その代わり、慣れていないので音が少し不安定になり、音域も少し下がりましたが。

 

日曜日の授業でクラスメイト(クラリネット奏者)に、そのクセをするのと辞めるのとで聴き比べてもらいましたが、やはり「後者の方が音が太くなっていた」とのフィードバックを頂きました。

面白かったのは、アレクサンダー・テクニークを用いるとクセが出ても、クセをやめた時と同じくらい音が良くなったという事です。

 

ちなみにヴィヴィアン先生がこのクセに気付かれていたのかは分かりませんが、こう言われたのは後にも先にもヴィヴィアン先生だけでした。

 

 

あなたが身に付けたその習慣は何?

帰宅し寝る前に、良くなる事が分かったのでアレクサンダー・テクニークを用いてこのクセを手放していこうと考えました。ただ、一時的とはいえ音域が下がるため少し悩みました。ほんの少しですよ。

 

このクセを手放していくのか、それとも今後も共に成長していくのか・・・それだけなのに、なぜか涙が出てきました

 

確かに音質を犠牲にしていたのかもしれませんが、このクセはバテずにビッグバンドでリードを吹き切るために身に付けた、自分にとってはとても頼もしく思い入れがあり、誇らしい習慣でもある事に気付いたんです。

 

それが起きたのは無意識にクセを受け入れず、今までの音楽活動を無かった事にしようとしていたからなのかもしれません。たかがアンブシュアの習慣1つに涙するなんて自分でも驚きましたが・・・。

 

 

クセ=悪い習慣ではない

クセという表記は悪いイメージがどこかしらありますが、演奏者が持つクセの多くはその根元を辿るととても強い望みから生まれた習慣であり、そこに良し悪しは無く、その人の歴史があるんだな、と思いました。

 

ただ、自分のクセはそこまで邪魔しなかったのでマシだったかもしれませんが、クセがあるがために辛い日々の連続だった人もいると思うんです。

 

結果に繋がらないその習慣をすぐに手放し、新しい方法に移れる人がいるかもしれません。その一方で、逆に結果が出なくても思い入れがあったり、頭では分かっていても自分を否定されたと感じたりして、すぐには受け入れられない人も少なからずいる事に改めて気付きました。

 

そしてそう受け入れられないのは、自分自身もしくは本や第三者に指摘され悪いモノだと思ってしまった事が原因として多いのかもしれません。

 

 

トランペットのアンブシュアは何でも良い、1つを除けば・・・本当?

トランペット奏者を悩ますクセで最も悩ましいのは粘膜奏法ですね

 

高音は出るがバテ易く 音量も出ない・・・。休みが多く音域の低いビッグバンドの4th等では道もあるかもしれませんが、1stやソロ、コンボや吹奏楽では厳しいと感じます。

(2017/今の考え↓)

tokuya-tp.hatenablog.com

 

例えば先輩が卒業し急いで音域を伸ばさなくてはいけなくなった時初心者が速く音を出したいと焦った時に陥り易いです。

 

しかし、良い音を求めて自然とそうなったのであればそれが良いのかもしれません。それが悪いのではなく、目標をやりたい事をやれているかどうかに目を向けたいですね。

 

 

なかなか気持ちを切り替えられない人には

話は戻りますが、私はこのクセが出てもアレクサンダー・テクニークを用いれば同じように良い音になる事が授業で分かったので、このクセを、習慣を前向きに受け止められました。

 

また、信頼できるトランペットの先生に「全く問題無し」と言って頂けた事も大きいです。なので、このクセがある無し関係なく良い音で吹けるようになろうと切り替える事が出来ました。(2017/08/04現在 この中間のアンブシュアを模索してます)

 

 

ただ、そうすぐには気持ちを切り替えられない人もいると思うので、指摘・提案する時は十分に気を付けたいです。僕自身色々苦労してきたので「そんな事してきたの?」「必要ない練習だよ」なんて言葉は出てこないと思います。もし言ってたらごめんなさい。

 

今回のクセは自分で気付けたので悪者扱いせずにすみましたが、指摘する場合は次の様な事に気を付けられたら良いのではないかと思いました。

 

 

1、身につけてきた習慣を認め誉める。

確かにもっと良い方法があるかもしれない。でもそれは、その人がその日その瞬間に曲を演奏するために、何かを乗り越えるために身に付けた習慣であり努力して得たスキルなんです。今を見てただ指摘・否定するのは簡単ですが、それらを決して悪モノのように言わない事が大事だと思います。

 

2、選択肢を与える、一緒に考える。

次に従来の方法か新しい方法を提案し本人に選んでもらいます。もちろん指導者さんも人間ですから、辛い思いをしていたら助けてあげたいと思いますし、自分が通って来た道を勧めたくなります

 

ですが人には合う合わないもありますし、当然ですがメリットだけでなくデメリットもあるので伝えます。その人と一緒に考えるのも良いですね。本人が納得してくれるのが一番です。

 

迷った時の判断基準として、昔書いた記事をリンクします。

tokuya-tp.hatenablog.com

 

3、クセを無かった事にせず、その上に新しいスキルを身につける。

ありがちな事ですが、昔の悪しき習慣を無かった事にしてゼロからスタートするんだ!このクセが出ないように練習するんだ!なんて思ったり、そうメッセージを込めて指導すると、恐らくそのクセが出た瞬間に生徒さんが悩み落ち込みます

 

どれぐらい落ち込むかイメージ付かない方に例をあげますと、楽器やめたいを通り越して死にたいと思う人さえいます。僕です(冗談の様な本当のお話)。

 

1番目にも書きましたが、それはその人が身につけて来たスキルです。そこには呼吸やフィンガリング、ソルフェージュや譜読力なども繋がっています。全てがゼロからでは無いですし、少し軌道修正するだけなので例えばアンブシュアを改良をしても「ベースとなるスキルは残っている」と考えます。

 

 

ほんと偶然ですが、その日の夕方、初めてレッスンを受けに来られた方と似たような状況になりました。とっさの判断でしたが1~3の事を自然と話せたので良かったなぁと思いました。

 

ある意味、何かを否定する自分はほとんどいなくて、この記事はそんな自分の思考を文章化したものなのかもしれません。

 

 

最後に、一番大切なのは本人の意思や望みだと思います。

本人が出来ないと思っていたり、心から変えたいと思っていなければ変化はないです。そしてそう思えるには周りの環境や指導者の発言にも影響が出ると思いました。

 

それらは「悪いクセ」ではなく、その人が積み重ねてきた「素晴らしい習慣」ですから。

 

 

 

tokuya-tp.hatenablog.com

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