前回のレッスンでのお話。
生徒さんがかなり落ち込んでいたので話を聞いてみると「何でこんな曲でバテるんだ!」と怒られたんだそうです。
テレビで良く見る笑いあり涙ありの吹奏楽ドキュメンタリーでも、このように怒鳴るシーンがありますよね。
怒られた生徒が思うのは、吹けない自分が悪い、練習が足りなかったんだ、上級生なのに1stなのに吹けないなんて・・・・といった自己否定。
一見、顧問の先生はミスをした生徒に対して怒っているように感じますが、違います。
顧問の方やコンマスさんがあなたを1stに任命したとします。
その時点で音を外そうがミスしようが文句を言われる筋合いはない、責任を負う必要はないんですよ。なぜなら顧問の先生は自分の意思であなた任命したのだから。
ミスが少ない・目立たない人はいますが絶対ミスをしない人はプロにもいません。
音楽に限らず何かを任せる時は「誰だって失敗する時は失敗するんだ」という事を承知の上で選ぶものです。失敗する事もあると思いながらも、信頼しているから、期待しているから任せるんです。
でも気付けば世の中多くの人が「誰だって失敗する」という当たり前の事を忘れているんです。それで怒るのなら自分がやるか最初からプロの方を呼べば良いと思います。
その人が文句を言うのは自由ですが、自分が決めた事に腹を立てている、という事に気付いていないんです。
音を外したんだからあいつが悪い!
じゃあ誰なら良かったんです?他のメンバーに外さず吹ける人います?いない?(だからその人を選んだんですよね?)
じゃあプロ呼びましょう!お金ない?じゃあ今のメンバーでいきましょう。
それでも怒る?であれば雰囲気悪くなるので壁にでも怒っていてください・・・と思います。
仕事であれば失敗した時の事も考えて行動しますよね。その時に怒鳴れば解決するんでしょうか?思考が停止しているかもしれません、本当に生徒の事を思うのなら怒鳴るという選択肢は出てこないのでは。コンクールのために指導していませんか。
音を外した側も、自分ダメなんだ・・・と安易にジャッジをしないで、なぜ外したのか?を考えて次は違う方法を試すとか、行き詰ったら誰かに教えを請うとか何かしら行動を起こしてみましょう!
もちろん、自分ダメなんだと落ち込むのも、外してもいいや!なんか顧問勝手に怒ってる〜♪と思い続けてても一時的であればそれもOKです。
落ち込む事は誰にでもありますし、立ち直るまでにかかる時間も人それぞれです。
悩み過ぎるといつかバンドを降ろされるかもしれませんが、また戻れば良いんです、違うバンドを探せばいいんです。
生徒さんの話に戻ります。
レッスン最初の音出しから震えていて何かを恐れている様子、明らかに先週と違いました。上述しましたが「なんでそんなのでバテるんだ!」と顧問に怒られたそうな。
お答えします、生徒さんの良さを引き出すどころかやる気を潰しているからです・・・。
自己嫌悪か恐怖からか、体が萎縮しブレスが浅くなってるので口先で吹こうとしていました。バテる事を恐れてプレスしない様に吹こうとして、そのせいで唇を締めていた・・・。
レッスンで戻りましたけどね。
ある意味凄く良いレッスンだったのかもしれません。でも出来るなら普段から楽しく吹ける環境を先生には作って頂きたいものです。