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サトウトクヤのアレクサンダー・テクニーク~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

トランペット、アレクサンダー・テクニーク教師サトウトクヤのブログ。アレクサンダー・テクニークとトランペットについて。Facebookページやツイッターもやってます。

トランペットと肺活量~女性は不利ってホント?~

2014年、最初のブログは肺活量についてです。


前回の記事 に続いて息・呼吸についてです。


管楽器を演奏するにあたって良く言われるのが「○○は肺活量が必要なんでしょ?」という台詞。

また金管奏者の中には「身体がまだ出来上がってないから」、「男性より肺活量が少ないから」といってハイノートを諦めている人もいるのではないかと。

肺活量が少ないといけないというのは、嘘です。


よく顔を真っ赤に、ほっぺた膨らませて、苦しそうに吹くプロを見ますが、あれはショーなので(大体は)演技です。そうやった方がかっこ良く見えますからね。そういったイメージが一般の人に多く植え付けられているばっかりに生まれた誤解だと思います。



まず肺活量とは何か??

ウィキペディア先生によると
「人間が息を最大限吸い込んだあとに肺から吐き出せる空気量のこと。」肺いっぱいに入れた空気をどれだけ吐き出せるか。というもの。

注意して頂きたいのは、「どれだけ空気が肺に入るか」ではなく「吸った後どれだけ息の量を吐けるか」という事です。そして肺活量はスパイロメーターという測定機にて計るのですが、身長、年齢、性別から予測肺活量という物もその人の体格からある程度計算で出せてしまう物なのです

なので筋トレをして腕を太くするようなイメージで「肺に入る量を増やす」とか「肺活量を鍛える」というのはあまり好ましくなく、身体の使い方を良くして、身体本来が持つ呼吸の質を高めると考えた方が良いと思います。



肺活量が多いと有利なのは「ワンブレスで長いフレーズを吹ける」くらいでしょうか?フォルテでは息の量が必要ですが楽器に入る息の量は限られていますし、肺活量の差で大幅に変わる物でもないと思います。海外のプロは体格も良く音量も大きいじゃないか、と思われる方いらっしゃると思いますが、効率の良い吹き方をしているからなのだと思います。

それに同じ人間なので出来ないという事はないと思います。と言うより「骨格が違うから、西洋人の楽器だから、天才だから」とか意味不明な理由で諦めるなんて悲しいと思うので。



そして肺活量が少ないとハイノートが出ないという事はありません。昔(2009年?)、エリック宮城さんが「最近、思いっきり息を吐いてからハイノートを吹く練習をしている」と話されていました。これは何のトレーニングなのでしょうか??



ここで出てくるのが努力性肺活量です。
通常の肺活量は息をゆっくりと吐き出して測定しますが、できるだけ速く、一気に息を吐き出して計測した場合の肺活量の事を言います。肺にどれだけ入るかでもなく、どれだけゆっくり吐けるか、でもなく「一気に吐き出す事が出来る息の量」です。

お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、これがハイノートに必要な「息のスピード、速さ」です。エリックさんの練習は
(息の量に頼らず)瞬間的に速い息を吹く練習をされていたのだと推測されます。


ではハイノートに必要とされている速い息を出すにはどんな筋肉が必要だと思いますか?よく言われているのは横隔膜ですが横隔膜は息を吐く時にはほとんど仕事をしていません。また、横隔膜は2~4mmの厚さしかありません、筋肉ではあるのですが膜と呼ばれるくらい薄いものなのです。

そんなペラペラの組織が、はたしてハイノートに役に立つのでしょうか?


・・・ハイノートに役立つ筋肉は他にあるので、そちら(呼気筋)を鍛えた方が良いです。次回はその事について書こうと思います。



あ、さきほど「肺活量は鍛えるイメージでなく質を高める」と書きましたが、呼気筋は力任せに鍛えようとすると逆に使われ難い筋肉なのです。「鍛えるぞ~!!」と意気込んでしまうと上手く使えず身体が固まってしまいます。なので質を高める方が良いのですね。


ではでは。